西洋医学と東洋医学

店頭での立ち話や、短時間でのご相談では中々お客様のお悩みは把握出来にくく、その場の症状は抑えられても、また再発する方もいらっしゃいます。
それは今現れている「症状」にある背景、過去の病歴など有る程度把握していませんと、その方にあった、「薬剤」は選べません。
その為当店では、お手数ですがなるべく詳しく「問診表」を記入していただくようお願いしています。

西洋医学と東洋医学の違い

ここで西洋医学(現代の病院)と東洋医学(漢方、サプリメント、整体、鍼灸)の違いを説明します。
西洋医学と東洋医学ではその考え方や治療方法に大きな違いがあります。どちらが良い悪いというのではなく、体の状態によって、適切な治療を受けることが大切です。

西洋医学

西洋医学ではあらゆる検査で身体の状態を調べます。検査結果に基づき病名を診断し、投薬、外科手術などの治療方針を決めます。
西洋医学で言う「病気の原因」とは、病気や不調の根本的な原因のことではありません。症状に対して身体がどのようになっているかを調べその状態の事を「原因」といいます。

たとえば検査で「ガン」が見つかった場合その「ガン」を「原因」とし、抗ガン剤、手術、放射線で徹底的に「攻撃」します。
しかし「ガン」がなくなったとしても薬などの副作用で「体力」がなくなり回復できず、病巣はなくなりましたが身体全体の「バランス」が崩れて、その後、「人間としての生活」が難しくなる場合がよくあります。

西洋医学では「病気に勝っても病人の回復ができない」場合があるのです。
しかし抗生物質が出現したことにより、細菌性の病気が激減し急性の疾患には薬による攻撃は非常に有効です。

東洋医学

東洋医学では、自然界に生活している人間が病気にかかった時に病気だけを見るのではなく、病人を見ることに重点をおきます。
患者さんの病気だけをみてアプローチするのではなく身体全体をみて、生活スタイルや食生活などを聞き「なぜこの症状が起きるのか」という本質の原因に迫ります。
病状を引き起こす「原因」を自身の体質を改善することで予防・治療していくのです。
漢方医学では体質や生活習慣など、総合的に症状を判断した「証」によって薬を出します。その為同じ症状でもその人によって漢方薬が違うのです。

たとえば血圧が高い場合、西洋医学では「高血圧」と病名がつき降圧剤が出ます。
漢方医学では「ストレスや老化などで身体のバランスが狂い血管に負担がかかり血圧が上がる」と判断します。
そこでまずは身体のバランスを整える「漢方薬」を処方します。

東洋+西洋「二つの車輪」で整える

インフルエンザや急性の疾患では即効性のある西洋医学の薬で治療します。逆に 肩こりや、冷え症など長きにわたって患う日々のお悩みは漢方医学の方が良いでしょう。
場合によっては、一つの車輪ではなく西洋、東洋医学の良いとこ取りをして、身体のバランスを整えていかれるのがベストだと思います。

先述しましたように、例えばがんの治療で「抗がん剤」「放射線」「手術」により癌細胞を取り除きます。しかし体力(免疫力)が十分ではないと、身体は弱ってしまいます。
そういう時は、必要ならば抗ガン剤(西洋医学)+漢方療法(東洋医学)を使います。

皮膚病には病院ではステロイド、免疫抑制剤などで炎症を抑えますが、漢方では「皮膚常在菌」のバランスを整えながら皮膚抵抗力を強めていきます。
内服では、腸内細菌を整えながら、ステロイド等の解毒と、免疫バランスを整えていきます。

風邪の場合は風邪薬(西洋医学)に 身体の邪気を追い出し治癒力を高める漢方薬を使います。

そういったことが「二つの車輪」という意味です。
以上の事を念頭に置いていただきまして漢方養生指導をさせていただけましたら幸いです。